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2006年12月28日

二十一個目のカギ、それは・・・

人はどうしても意識している自分に注目しがちです。そして、このような毎日自覚している自分を自我といいます。日頃から自覚しているため、自我の領域ではあなたは非常に具体的な目標や行動指針をもっているはずです。しかし、自我ばかりに偏ると、どうしても人として不安定になります。例えば、日々の売上目標を必達し、すばらしい業績を残している。しかし、経営者自身が社会的地位や収入、世間での評判などをいつも気にしていて、どこか心に虚しさを抱えていることがあります。そのような場合には、往々にしていつもイライラしており、他人の目が気になったりします。

そのような自我が強い経営者でも、太陽が昇る瞬間を目にすると胸のうちからこみあげてくる感動を経験することがあるのではないでしょうか。そのような感性を生み出しているのは、無意識の自分です。意識している目標と同時に、このような無意識の自分も満足感を得ているという両者のバランスがとれた状態が、本当の意味で自己とよばれるものです。

無意識の自分を自覚するためには、第八の扉で紹介した様々な価値観の軸に照らし合わせて自分自身がどのようにありたいかということを問いかけることです。そして、自分が理想とする価値のバランスと、経営者として日々行っている行動が調和したときに、はじめて経営者は本当の使命感に立ち返ることができます。それが、自分にとってもっとも自然であり、力を発揮することのできる指針となるからです。
自我に偏るのではなく、自己という視点によって経営理念・ビジョンを追求する。そうすることで、また新たな経営のサイクルが回り始めるのです。

経営とは継続的なものです。企業活動は様々なステークホルダーを巻き込むため、常に継続し続けなければならないものです。ゴーイングコンサーンとして、あなたの会社が常に社会にプラスの影響を与えることができるのであれば、必ず大きなリターンが返ってくるはずです。

さて、二十一に渡る全ての扉を開いたあなたの目の前には何が広がっているでしょうか。もう扉がなくなって真っ白な世界が残されているだけでしょうか。そんなことはありません。経営環境は常に変化します。あなたを取り巻く人々も変化し続けます。そして、あなた自身も変化しているでしょう。
常に変化し続ける環境の中で、継続的に適応してかなければ会社が生き残ることはできません。そして、また新たな迷いが生じてくるはずです。そのときには、第一の扉を開けて下さい。次なる経営の循環の始まりです・・・。

key.gif二十一個目のカギ

それはあなた自身です。
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最後に

経営課題を21の扉に絞り、テーマごとに解決策のヒントを探ってきました。

どれも、経営者が日々の活動において直面する課題であり、一つ一つを深く掘り下げれば、それだけで何冊もの本が書けるほどにそれぞれ重みをもったテーマです。しかし、本書ではあえて知識を多く詰め込むということをせず、課題に直面したときに最も有益となる考え方に焦点をしぼって解説させて頂きました。

奥深い経営の世界で、本書が提供できたものは非常に小さなきっかけにすぎないかもしれません。しかし、その小さなきっかけを確かな一歩として「実行」することが何よりも大切です。

「8つのトリガー」でも解説しているように、人間を変えるのは、結局は小さなきっかけです。いくら厖大な情報を集めても、それが行動となって企業の改善に結びつかなければ意味がありません。最初は非常に小さなきっかけであっても、実行されることでやがて大きな気づきとなり、企業を成長させる原動力となります。

本書があなたの企業を少しでも良くするためのトリガーとなることを願ってやみません。

2006年12月25日

なぜあなたは成功しても安心できずに悩み続けるのか

第二十一の扉 「なぜあなたは成功しても安心できずに悩み続けるのか」・・・完全なる経営、そのようなものは夢かもしれない。成功しているのに、なぜ、安心できずに悩み続けなければならないのか。


二十一個目の扉が開かない理由
「自我の満足しか追求していないこと」


本当の意味での理念とは何か。最後にこの根源的なテーマについて考えましょう。

自分が経営を行う使命、すなわち「何をしたいの」について毎日徹底的に考え抜かれていることでしょう。そのときに、達成したい具体的目標やその結果としてあなたが得たいと考えているものを中心に検討をし、そして、そのような目標を明確にしているのに、一向に安心できない。そのような状況に陥っているとしたら、自我と自己を区別して考えるときなのかもしれません。

自我ではなく、自己による真の経営を行う

最後に述べるのは、より精神論的な内容です。しかし、物理的な成功だけで経営者が成功したとはいえない、ということは周知の事実です。また、そのような「生身の人間」が会社の舵取りを行うということこそが、経営なのです。本質から逃げていては、いくら技術論を積み重ねても砂上の楼閣のようにいつかは崩れ去ってしまいます。二十一個目のカギは、自己と自我の論理です。経営の根本を再確認し、継続的な経営の改善プロセスをより現実的で、強固なものにします。

さて、人間には自分が意識している領域と、無意識の領域があることは直感的に分かると思います。日常の生活においても、意識的に行動することがある一方で、つい思わずしてしまったという経験をされていると思います。前者が意識している自分、後者が無意識の自分の行動です。

経営においても、意識しているところと無意識の領域があります。あなたが日々意識しているのは、事業の方向性や、売上、利益目標、あるいは自分自身が経営者としてどのように振る舞うべきかといったことでしょう。一方、無意識の領域は、経営者個人の価値観です。日々そのような経営目標に向かって業務を遂行する自分自身は、一人の人間としてどうあることで充実するかという感覚です。
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