二十個目のカギ
ヤングボード・マネジメント(幹部候補生による経営疑似体験)という手法も、後継者を育成する上で大変効果的なものです。ただし、現実世界とかけ離れた数値ゲームを行うというだけでは、せっかくの貴重な時間を割いたわりには実務能力が向上しません。理想的なヤングボード・マネジメントは、次のようなプロセスを踏むものなのです。
あくまでも、実際の業務で抱えているテーマをベースにして、自分が経営的な立場であればどのような判断を下すか、それについて徹底的に実践、もしくはシミュレーションを行います。そして、その結果から学んだことを検証して、新たな反省材料を抽出する、そういうプロセスが必要になります。

重要なことは、単発的な研修で終わらせないということです。企業における人材育成戦略として、継続的に社員の経営能力を向上させる仕組みを構築します。自社内で経営の実務を徹底的に任せていく環境がないのであれば、ヤングボードという経営疑似体験を通じて人材育成を図ると共に、幹部候補生の意見を効果的に吸い上げていく、そういった選択肢を合理的に判断しなければなりません。
先にも述べたように、教育方針をコロコロと変えているようでは、人材が育ちません。しっかりと足元を確認し、自社に適した人材育成策を行う必要があります。
二十個目のカギ
任せるとは信頼をして信用をすること。そうすることで、はじめて後継者が気づき始める。経営の扉を開くカギはそこにあります。
さあ、最後の扉です。経営と人材に関わるあらゆるポイントをおさえてきたあなたは、非常に安定した経営を行われていることでしょう。それでも安心できない、それが経営者というものですね。
第二十一。最後の扉を開けましょう。